(Redirected from ja/file_manipulation)
これは標準ライブラリが提供するものだけを用いた、 OCaml の基本的なファイル操作のガイドだ。
興味のあるモジュールの公式ドキュメントはこちら: Pervasives, Printf.
標準ライブラリは、読み込んだファイルを直接文字列に入れたり、 直接文字列をファイルに保存したりするような存在しない。 このような関数は Extlib など、サードパーティ製のライブラリにある。 Std.input_file and Std.output_file を見よ。
OCaml で普通にファイルを開くとチャネルを返す。 二種類のチャネルがある。
out_channel
型in_channel
型ファイルに書き込むにはこうする:
out_channel
を得るためにファイルを開くよく使う関数: open_out
, open_out_bin
, flush
, close_out
, close_out_noerr
out_channels
の標準出力/標準エラー出力版: stdout
, stderr
ファイルから読み込むにはこうする:
in_channel
を得るためにファイルを開くEnd_of_File
例外が上がる。そうしたら大抵はチャネルを閉じる。よく使う関数: open_in
, open_in_bin
, close_in
, close_in_noerr
in_channel
の標準入力版: stdin
何かをチャネルから読み込んだりチャネルに書き込んだりするときはいつも、 読み書きの直後に現在位置が次の文字に移動する。 ファイルの特定の位置に移動したいようなときや、 ファイルを最初から読み直したいときもあるだろう。 普通のファイルの位置を変えることは出来る。 seek_in
や seek_out
が使える。
out_channel
のフラッシュを忘れないように。ファイルでないもの、例えば標準出力(stdout
)やソケットへの書き込みの場合は特に重要だ。Unix
モジュールはバッファリングしないファイルデスクリプタなどへのアクセスを提供する。標準チャネルに対応した同じ名前の標準ファイルデスクリプタ stdin
, stdout
, stderr
が提供される。なので、open Unix
すると型エラーを起こすかもしれない。stdout
ファイルデスクリプタではなく stdout
チャネルを使いたいときはモジュール名を前に付ければ良い: Pervasives.stdout
。注意: どのモジュールにも属していないと思っているものは実は Pervasives
モジュールに属している。これは自動的にオープンされている。open_out
と open_out_bin
はもしファイルが存在したらそのファイルを切り捨ててしまう。この挙動で困るなら open_out_gen
を使え。open Printf let file = "example.dat" let message = "Hello!" let _ = (* message をファイルに書く *) let oc = open_out file in (* ファイルの新規作成か切捨て。チャネルが返る *) fprintf oc "%s\n" message; (* 何か書く *) close_out oc; (* チャネルをフラッシュして閉じる *) (* ファイルから読んで最初の行を表示 *) let ic = open_in file in try let line = input_line ic in (* in_channel から1行読んで捨てる \n *) print_endline line; (* 結果を stdout に書く *) flush stdout; (* ここで実際に対象デバイスに書き込む *) close_in ic (* 入力チャネルを閉じる *) with e -> (* 期待しない例外が起こったとき *) close_in_noerr ic; (* 緊急にチャネルを閉じる *) raise e (* エラー終了: ファイルは閉じられるが チャネルはフラッシュされない *) (* 通常終了: チャネルは全てフラッシュされて閉じられる *)